はじめよう!やってみよう!口腔ケア

姿勢を整える

2025年11月05日 11:38

【お食事の工夫】姿勢を整える

よい姿勢とは、つまり誤嚥しにくい姿勢です。

食事と姿勢の関係

食事の際には、楽に、おいしく、そして安全に食べられるように、正しい姿勢を整えることがとても大切です。
あごを上げた姿勢では、お口からのどに食べものが流れ込みやすく、誤嚥の危険性が高まります。

また、飲み込む力が弱くなってくると、飲み込んだあとに食べものがのどに残り、時間が経ってから誤嚥してしまうこともあります。

誤嚥しにくい姿勢で食事をすることで、誤嚥の危険を減らし、より安全に食事を楽しむことができます。

悪い姿勢とよい姿勢


[悪い姿勢]


非常に危険な状態で、誤嚥の恐れが高い姿勢です。



[よい姿勢]


一般的によいとされている姿勢です。
ただし、とくにまひのある方などは、これに限らず個人に合った姿勢を重視します。


  1. あごは引き気味

  2. 背は90度

  3. 足の裏は床(難しい場合はフットレスト)にきちんとつく高さ

  4. からだとテーブルの間に握りこぶしひとつぐらいのすき間

  5. イスの座面の高さはひざが90度に曲がるくらい

  6. テーブルの高さは腕を乗せてひじが90度に曲がるくらい


ベッド上での食事


テーブルとイスで食事するのが難しい場合は、ベッドの上で食事をとることになります。

その際は、次の6つのポイントをひとつずつ確認しながら介助しましょう。


  1. リラックスした姿勢をとり、まひなどがある場合は枕やタオルなどを利用して、からだが傾かないようにする。

  2. 背もたれが30~60度になるようギャッジアップ(ベッドの頭や足を持ち上げて角度をつけること)する。
    適した角度はそれぞれ異なります。体調によっても調整が必要な場合がありますので、専門職と相談するようにしましょう。

  3. 首が後ろに反らないように、頭に枕やクッションを使う。

  4. 腰はベッドの折れ目にきっちり合わせる。
    ギャッジアップしたままの体勢では、腰が下方にずれていることが多くあります。一度上方に引き上げましょう。

  5. ひざは軽く曲げた状態になるようにベッドの折れ目にひざを合わせるか、ひざ下にクッションを置き、ずり落ちないようにする。

  6. 足がずり下がらないよう、足の裏にクッションをぴったりつける。



[介助するときは]


介助を行うときは、できない部分だけをサポートしましょう。

できることはご本人にやっていただくことで、自立を助けることにつながります。

ゆったりとした時間と空間の中で、余裕をもっておいしくお食事を楽しんでいただきましょう。


[介助のポイント]


  1. 介助者は横に座り、目線を同じにする。

  2. のみ込んだのを確認してから、次のひと口を運ぶ。

  3. 一口量の目安はティースプーン1杯くらい。
    ※多すぎても少なすぎても食べにくいと感じます。

  4. おはしやスプーンは下からお口に運ぶ。
    ※自然にあごを引き、よい姿勢になります。

  5. お食事に専念する環境をつくる
    テレビを消したり、カーテンを引くなど、静かな空間をつくります。




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